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竹内康光【馬よ草原に向かって嘶け】
配信日:2018/03/04 16:00

種牡馬の「成功」・後編(完結)◆竹内康光【馬よ草原に向かって嘶け】


年明けから2回にわたって配合屋さんのメルマガで血統の話を書いているうちに、ざっと50年ほど時間を遡ってしまった。半ば強引に新種牡馬の話に戻して、ロードカナロアとオルフェーヴルが種牡馬としてどのような「成功」を収めるのか展望してみたい。

ロードカナロアは、祖父キングマンボも父キングカメハメハも種牡馬としては芝ダート兼用でしかも距離の融通も利くタイプ。現在の出世頭・ステルヴィオも騎手から「もっと距離があっていい。」とコメントが出るように、二千以上でもやれそうな手応えがある。勝ち上がり率も高いし、コマーシャルな成功は約束されている。

キングカメハメハのチャンピオン級産駒は圧倒的に牡馬が多いし、初重賞は牝馬のアーモンドアイだったがステルヴィオが牡馬であることからもフィリーサイアーの可能性は低い。まだダートの勝ち上がりはないが、2歳時の統計はサンプル数が少ないだけでレース数が増える厳寒期を経て勝ち上がる馬も出てくるはず。ミスタープロスペクター系でノーザンダンサーを3本内包しつつ、ヘイルトゥリーズンを持たないので配合上のフリーハンドもある。まだ気が早いが、サイアーラインが繋がる条件は揃っている。

オルフェーヴルは父ステイゴールドが競走馬としても種牡馬としても晩成で、むしろ2頭の重賞勝ち馬が出ていることが驚き。父はフレッシュマンサイアーとして15頭の勝ち馬を送り17勝を挙げたが、2歳重賞は勝てなかった。母の父メジロマックイーンから「一子相伝」の遺伝子を受け継いだのか、重賞での勝負強さが光っている。ダートは2歳時に1頭勝ち上がっているが、母の父にストームキャットを持つロードカナロアとの比較では分が悪そう。

またノーザンテーストのクロスで、フィリーサイアーに出ていないかが唯一の心配。古くはブレイヴェストローマン、近年ではクロフネがフィリーサイアーゆえに優秀なサイアーラインが繋がっていない。しかし父ステイゴールドがサンデーサイレンス系には珍しい「一子相伝」型、チャンピオン級の牡馬が輩出してサイアーラインを繋げそうな魅力的な血がぎっしり詰まった種牡馬ではある。

ノーザンテーストのクロスを持つドリームジャーニー(オルフェーヴルの全兄)が朝日杯FSを勝ったのが2006年、来日から31年の時が経っていた。サンデーサイレンスのクロスを持つ馬も走っている時代だが、来日から26年が経った時点でまだ大レースの勝ち馬は出ていない(現役馬ではトラストに可能性があるけれど)。

サンデーサイレンスのクロス馬が大レースを勝つ日はまだ生きていると思うけれど、今から30年という物差しを自分に当てるとちょうど100歳。まだこのコラムを書いていたら、奇跡ですね。


◆竹内康光【馬よ草原に向かって嘶け】
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