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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2015/03/18 12:15

国による競馬の違い◆沢田準【競馬を楽しく】

グリーンチャンネルの番組である「地・中・海ケイバモード」では、合田直弘氏が外国競馬について解説しているが、このなかに英語の競馬用語の話がある。

いつもはクイズ形式で出演者が答えるという形式だが、先週は日本の競馬と外国の競馬の違いについての問題が四つ出された。

このなかでわかりにくそうだったのが、アメリカの競馬はなぜどの競馬場でもダート、左回り、小回りかという問題だった。

三択で「昔アメリカには、芝生をきれいに育成する技術がないためダートになった」「アメリカ人は陸上競技が大好きなので、それに倣って左回りになった」「エンタテイメント重視の国、お客さんが見やすく楽しめるように競馬場を作った」から選ぶというものだった。

正解はもちろん見やすく楽しめるように作ったということだが、二人の回答者はいずれも外しており意外だという表情だった。

現代ではレースはテレビ中継され、特に日本では巨大なヴィジョンがある競馬場が多いから、レースを見やすくという概念はまず浮かんでこない。

しかし世界中でもほとんどの競馬場はテレビなど無い時代に作られている。土地はいくらでもありそうなアメリカで競馬場が小回りなのは、ファンが見やすいことが第一だったのである。

もっとも小回りといってもサラブレッドの主な競馬場は一周が1マイル程度だから福島、小倉といったところだ。テレビはない時代でも双眼鏡はあっただろうからファンには見やすいといえたのだろう。

アメリカの競馬場が見やすいというのはヨーロッパの競馬場と比較してという話である。ヨーロッパでは1000、1200という距離のレースは直線が普通だ。

新潟に直線1000のコースができて日本でも直線コースでの競馬を体感できるようになったが、テレビなしではスタートしてからかなりの間はレースの様子などとてもわからない。

1000でも大変なのにニューマーケットのローリーマイルはこの倍の2000、つまり1マイル2ハロンだ。スタンドからは馬の識別など不可能だ。

そして1マイル2ハロンを超えた距離は左に曲がったコースからスタートするが、そこはスタンドからは全く見えない。遠いからではなく築堤があって視野をふさいでいるのだ。

このあたりはニューマーケットのコースプランを見ていただければ理解できる。ニューマーケットに限らず、ヨーロッパの競馬場はファンに見やすくという要素は少ない。テレビがない時代を考えればよくわかるだろう。

一方アメリカの競馬場はファンのために作られている。すべて左回りであるのも、ダートがメイントラックであるのも、どの競馬場であってもファンが同じようにレースを見ることができるためなのである。


◆沢田準【競馬を楽しく】
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