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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2015/04/15 18:00

外国騎手の日本語◆沢田準の競馬を楽しく

ミルコ・デムーロ騎手とルメール騎手のインタビューを日本語で行うかあるいは通訳の姿をテレビ画面に入れないのは、日本語を話せるということで免許を与えたはずではないか、というファンの批判を避けるためだろう。

しかし両騎手の日本語はまだまだ片言といってもおかしくない程度でしかないしまたそれもやむおえないのである。

週刊ギャロップ誌では両騎手のインタビューが掲載されたが、そのほとんどは英語で行われたことが明らかにされている。

また週刊競馬ブックにはミルコ・デムーロ騎手のインタビューが載っていたが、これも通訳の名前が記されており、英語で行われたのだろうと思われる。

二人が今後長期にわたって日本で騎乗することがあればさらに日本語が上達するだろうが、それはまだ先の話であり、現時点では日本語はまだまだだという前提で対応しなければならないのである。

また二人は騎手を辞めた後も日本に永住したり帰化するだろうか。二人とも今年で36歳。騎手としても若くはない。引退したら帰国すると考えるのが妥当だろう。とすれば日本語の上達具合もどこまでかということである。

それではなぜ両騎手が日本語を話すことができることに形式的でもしなければならないのだろうか。

今回の騎手免許の試験では日本語での質問が行われるということがかなり話題になった。このことから外国騎手が通年の日本の免許を得るには、日本語の習得が必要なのかと思われたのである。

しかしこれは誤解である。前回に触れたように他のスポーツの外国人選手で日本語が達者という人は少ない。例外は大相撲だが、どの外国人力士でも子供の年代に日本にやってきて、相撲部屋という隔離された世界で過ごすのであり他のスポーツとは異なるのである。

外国人騎手に日本語が必要という誤り、もしくは不可能なことが定着したようになったのだろか。

それは前回の試験でミルコ・デムーロ騎手が不合格になりJRAが批判された。今年は日本語による試験が加わり、その結果両騎手が合格した。

このことから前回のミルコ・デムーロ騎手の不合格に理由が日本語の習得にあると思われたのであろうし、JRAも世間でそのように考えるのは好都合ということがあったのだろう。

しかし両騎手の日本語は上記のとおりであり、もし日本語の習得が条件であればとても合格にレベルではない。

それではなぜ前回にミルコ・デムーロ騎手が不合格になったのか。それは日本語ではなく、また騎乗技術でもない。騎乗技術が十分なことは証明されている。

JRAは公にはしないだろうが、おそらく広い意味でのモラールではないかと考える。日本人は外国人と比較していろいろな点で几帳面であるといわれるし、上記のインタビューにも出てくる。

これはいい悪いのことではなく国民性だから仕方がない。JRAはそこに不安があったのではないだろうか。

ルメール騎手は早速騎乗停止処分となってしまった。今後も本人にはその意思はなくても注意義務違反に当たることがあるかもしれない。JRAの心配はそこにあるのではないだろうか。




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