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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2015/05/19 14:15

総合ハンドブック◆沢田準の競馬を楽しく

電子データによる情報が氾濫している現代、活字データの退潮が激しい。競馬についても例外ではないだろう。

ハイセイコーによる競馬ブーム以前は、競馬本といえば馬券本が中心だった。書店でも現在にあるような競馬専用コーナーなどなく、馬券の予想本がわずかに並んでいる程度だった。

しかし競馬ブームを迎えると馬券以外の競馬書籍、名馬ものや血統関係、エッセイ、さらに外国の競馬についての翻訳本などの多くの競馬本が出版されたのである。

また競馬データ関係のものも多く発行された。サラブレッド血統センターの「種牡馬年鑑」(のちの競馬年鑑)の第1号が発行されたのが昭和49年、そのカバーの写真はまさにハイセイコーだった。

その後中央競馬ピーアールセンターから「中央競馬レコードブック」か発行された。しかしこれらの紙のデータは書籍と同じく若いファンには受け入れられず、その後発行をやめてしまった。

しかし10年ほど前から新しいデータ本が発行された。中央競馬振興会から発行の「日本の競馬 総合ハンドブック」というものである。

これは従来のデータ本と同じように前年の重賞成績、リーディングブリーダー、リーディングサイヤーといった普通のデータも掲載されているが、それ以外にかなりマニアックなデータなかなか面白いのである。

まず日本国内で出走した外国調教馬の成績がある。昭和56年の第1回ジャパンCの前哨戦のオープンに出走したオウンオピニオンを筆頭に、昨年の東京大賞典ソイフェットまで、これほど多くの外国馬が出走したのかと驚くほどだ。

初期はジャパンC,富士Sがほとんどだが、その後安田記念、京王杯スプリングC、やがてスプリンターズS、中山グランドジャンプ、ジャパンCダート、さらにいろいろなレースに出走馬が続くという凝ったデータだ。

さらに短期免許騎手一覧がある。これも平成6年のリサ・クロップ騎手を筆頭にこんな騎手が騎乗していたのかと非常に面白いものだ。

また海外遠征馬の成績もある。1958年のハリウッドパークで走ったハクチカラを先頭に、ローレルのワシントンDCインターナショナル、凱旋門賞といった主要レースだけではなく、下級戦を含まれており、こんな馬が遠征したのかと驚かされるほどだ。

海外遠征騎手成績もある。JRA騎手でこれは騎乗したレースすべてではなく、勝ったレースだけだが、ちょっとした遠征についても記録されており興味深い。

このほかにもかなりマニアックなデータ満載である。ただしこの本はほとんど知られていない。これは全く宣伝を行っていないようであり、また競馬場とGate Jあたりで売っている程度なのである。もし興味があればどこかで見ていただきたいと思う。


◆沢田準【競馬を楽しく】
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