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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2015/12/04 15:00

ユニークな馬名と冠号◆沢田準の競馬を楽しく

3回福島2日目の最終レース、テレビでレースを見ていた私はゴール前で思わず笑ってしまった。

アナウンサーがマズイマズイウマイと大きな音声で連呼したのである。1番人気であり勝ちそうになった時には、一風変わった馬名であることであり大声を出そうと決めていたようとも思わせたものだった。

馬主はもちろん小田切有一氏である。小田切氏はユニークな馬名を連発することで有名だ。小田切氏の影響を受け面白い馬名をつける馬主もほかに増えてきたが、小田切氏には独特のセンスがあり追随を許さないといってもおかしくない。

ところが水上学氏は氏のブログのなかで、マズイマズイウマイにはカチンと来てしまうと書かれているのは興味をひかれた。なるほどあのような馬名については面白いと思う人がいる反面、否定的な感想を持つ人がいるのももっともと思われるのだ。

水上氏の馬名に対する感覚で少し意外に思えたのは、冠馬名に肯定的なことだ。ブログでもシゲルの魚シリーズを何度か取り上げている。

それどころか冠号は苗字と同じようなもので味わいのある日本の競馬文化、と大いに支持しているのだ。私が競馬を始めた当時は大手馬主はほとんどと言っていいほど冠号馬名で、服色を覚えれば馬名がすぐわかるので便利ではあったが、やはり何とかならないかと思ったのである。

したがって現在のように冠号馬名が少なくなったのはよい傾向だと言いたいのだが、水上氏が冠号を評価しているのはかなり意外だった。

シゲルの森中氏はシリーズで馬名をつけており水上氏が冠号を支持する中でシリーズ馬名を評価しているが、数年前の役職名シリーズはどういう評価だろうか。

冠号馬名のメリットは実は馬主側にあるのかもしれない。持ち馬が出走していればすぐにわかるということもあるが、馬名をつけるのが容易というのは大きそうだ。

馬名をつけるうえで最も注意が必要なことは同じ馬名がすでに使われていないかを調べることと思われる。馬名を申請してもダブりということで拒否されることは珍しくはなく、拒否が二度三度ということもある。

冠号を使えばまずその心配はない。自分の冠号馬名をダブって申請することはないだろう。

社台系列では馬名がダブらないように調査する部門があるらしいが、社台という大きな組織であるから可能なことであり、個人馬主ではそのような手間をかけるのはむつかしそうである。

「競馬施行規程」には登録してもらえない馬名が載っているが、そのひとつに「奇きょうな馬名」という項目がある。

30年ほど競馬を離れていた人が現代の競馬に戻ったとしたら、マズイマズイウマイに限らず妙な、つまり奇きょうな馬名ばかりではないかと思うに違いない。

どんな馬名が奇きょうとされるかは時代により変わってくるから、現在のユニークな馬名が奇きょうとはされていないのだろう。

しかしいくら慣れたといっても、やはりどうかと思われる馬名がないわけではない。ユニークな馬名を持った馬がG1などの大レースを勝ったとしたら、競馬ファンはともかく一般の人の反応がいささか心配ではある。

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