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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2015/12/11 12:15

ジャパンカップ◆沢田準の競馬を楽しく

今年のジャパンカップ、4頭の外国招待馬。いずれもヨーロッパのG1勝馬ということである程度評価されたようだ。

しかしイギリスのトリップトゥパリスはゴールドC勝馬であるように完全なステイヤーで、日本のスピード競馬には適応できそうではなかった。

ドイツの2頭はいずれもドイツのG1を勝った馬だが、ドイツの競馬場はどこも馬場が重く時計がかかる。イトウはバイエルン大賞を圧勝したが2分36秒も掛かった。

またナイトフラワーがオイロパ賞を勝った時計はやはり2分31秒台だ。この両頭もスピード競馬では苦しそうだった。

もともとドイツのレースは平均的にはイギリス、フランス、アイルランドよりレベルが低く、イトウはドイツだけで戦っており、ナイトフラワーはフランスのディアヌ賞(仏オークス)に挑戦したが8着に敗れている。

イトウはバイエルン大賞の4馬身差勝が評価され国際レーティング120が与えられたが、オイロパ賞ではハンデ差があったにしてもナイトフラワーには完敗しており、このレートは高すぎと思われた。

この3頭と比較するとフランスの3歳馬のイラプトはデビュー以来の4連勝でG1パリ大賞を勝ち凱旋門賞で5着、外国馬の中では格上であり、今年のややレベルが低いと思われる日本馬に対しどの程度戦えるかが注目されたのである。

結果は6着。平均ペースで絶好ともいえる好位につけ十分にチャンスはありそうだったが4コーナーではいったん後退、そこからの決め手争いに屈した形だった。

それでも勝馬からは0.3秒差。4着から16着まで0.3秒という一団のなかでは前方という位置でゴールインした。このレースぶりをどう評価すべきだろうか。

6着という結果と着差、さらにレース内容だけを見れば好走というべきかもしれない。しかし今年の日本馬にはジャスタウェイもジェンティルドンナもハープスターもいなかった。

今年ならイラプトが競り勝ってもおかしくない出走メンバーと言えるのではないだろうか。しかしイラプトは敗れた。レース前には有力視されたフリントシャーは回避し香港に向かっている。

ヨーロッパの本物の一流馬であるイラプトの敗戦、そしてフリントシャーの回避は、来年以降の有力外国馬のジャパンカップへの参加がますます期待できなくなることを示しているように思われる。

ジャパンカップへの外国馬の参戦が少なくなっているのは近年のことではない。また今後も同様であるだろうということはメディアなどでも予想されている。

このようにジャパンカップに外国馬の参戦が少なくなっていることをとらえて、日本の競馬が世界の競馬の国際化の流れから取り残されようとしていると心配するメディアやファンが少なくない。

そのために賞金をさらに上げるべきという考えも聞かれる。しかしいくら賞金を上げたところで外国馬がやってくるとは思えない。

外国馬がジャパンカップにやってこなくなったのは賞金が低いからではなく、といっても現在でも充分に高いのだが、日本馬が強くてなかなか勝てないからだ。

レースに勝てなくては賞金は手に入らない。かつては外国馬に充分に勝てるチャンスがあり、多くの参戦があった。しかし現在は変わったのである。

ジャパンカップに外国馬が来なくなったといっても日本の競馬の国際化が止まるわけではない。いまや日本の馬は外国のレースに挑戦し好走するのが当たり前になった。今週の香港国際レースには10頭もの日本馬が参戦する。

香港、ドバイ、ヨーロッパ、オーストラリアと日本馬の姿は多くの国のレースで見ることができる時代になった。北米のレースへの出走が少ないのは残念だが、いずれ北米にも多く出走することを期待したい。

世界中で日本の馬が走る、これこそが日本の競馬の国際化である。ジャパンカップに外国馬が来なくても別に問題はないのである。



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