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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2015/12/25 18:00

名古屋グランプリ◆沢田準の競馬を楽しく

これはさすがにまずいんではないか、と思われたのが23日に行われた名古屋グランプリだった。グリーンチャンネルの実況中継で単勝オッズが紹介されたところ、中央の5頭が10倍以下、一方7頭の地方馬はすべて100倍以上の万馬券だったのである。

地方で行われるダートグレードレースは中央馬に人気が集中するのは毎度のことである。しかし地方馬が揃ってこれほどの人気薄というのはめったにない。

単勝万馬券といってもただの万馬券ではない。最終オッズでは200倍、400倍、500倍、600倍と並ぶ。一方中央馬はカゼノコの2.4倍からニホンピロアワーズの7.4倍の間に収まった。

そしてレースはこの人気を裏付けしたようなものになった。2500メートルという長丁場のレースということもあり、前半は地方馬にも中央馬と共に馬群の前のほうに位置する馬もいた。

しかし2周目の中ほどになると地方馬は徐々に後退し中央の5頭が集まってきた。勝負どころの3コーナーにかかると前の5頭の中央馬と後の地方馬の間には大きな差が開き、直線では地方馬は全く置かれてしまった。

結局5着のエーシンモアオバーと6着のキッズニゴウハンの間には3.0秒という大差がついた。オッズの格差が正しかったことが証明されたのである。

もっとも名古屋グランプリで中央馬に人気が集中し上位を独占するのは毎年のことである。それでも昨年は大井のグランディオーソが3番人気に押され4着、ほかの年でも地方馬でそこそこ人気なる馬がいたり、人気薄でも健闘した馬がいた。しかし今年は人気成績共に壊滅的になってしまったのである。

翌日の24日には兵庫ゴールドトロフィーが行われた。中央馬4頭対地方馬7頭。地方馬で人気になりそうだったラブバレットが取消となったが、それでも中央馬が人気独占とはならず中央から道営に移ったポアゾンブラックが9.0倍で4番人気。

結果も1、2着は中央馬だが3~5着には地方馬が入った。名古屋グランプリとは全く異なったのである。

名古屋グランプリはG2である。12月2日には同じくG2の浦和記念が行われた。距離は2000メートルで名古屋グランプリよりは短いがほぼ同じジャンルといえる。

そして名古屋グランプリとは異なり浦和記念は地方馬が活躍するレースとして有名である。今年はハッピースプリントとサミットストーンで上位を独占した。

それではこの二つのレースで地方馬の成績が違ったものになるのだろうか。一つは浦和記念は南関東であり、やはり南関東の馬は地方では強力である。しかし南関東の他のダートグレードレースでは南関東の馬が回避することが少なくない。

浦和記念に南関東の有力馬が多く出走するのは、G2にしては中央馬のメンバーが落ちるからだ。

それはもちろん中央のG1チャンピオンズカップと日程がかぶっているからだ。G1を狙う中央の有力馬はチャンピオンズカップに向かうから、浦和記念は薄くなる。こうして地方馬も好走できるのだ。

それでは名古屋グランプリは。まず名古屋、笠松の地元馬は残念ながら力が低い。その上地元のトプクラスの馬が必ずしも挑戦してくるわけではない。

地元の有力馬はやはり勝てそうなレースに回ることが多い。そして遠征馬は今年は高知から3頭、岩手から1頭でとても勝負にはなりそうもなかった。

一方中央馬はチャンピオンズカップ出走馬、JBC出走馬、さらにダートグレート好走馬が揃った。初めから勝負にはならなかったのである。

兵庫ゴールドトロフィーは距離が1400メートル。ダートグレードレースでも短距離戦や牝馬戦では、古馬の中距離戦と比較し地方馬が好走しやすい。

しかも兵庫ゴールドトロフィーはハンデ戦だ。ドリームバレンチノは59.5キロ、レーザーバレットは57キロ。地方馬は軽い馬が並んだ。

名古屋グランプリは別定で地方馬でもハンデは特に軽くはない。このように名古屋グランプリはレース時期、負担重量、距離というそれぞれの条件で初めから地方馬が活躍できないように作られているといってもおかしくないのである。



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