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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2016/01/15 11:30

地方馬の調教◆沢田準の競馬を楽しく

1月13日に行われたTCK女王盃、グリーンチャンネルの中継放送で下見場での馬の紹介の時、解説者の説明の中でおもしろいと感じたことがあった。

笠松のタッチデュールについて、前走から中1週の出走のこの馬が中間に時計を出しているという説明があったのである。

中央の馬であれば中1週で出走する場合は少なくとも1本、場合により2本の時計を出してからレースに向かうのが普通だ。

しかし地方馬では時計を出すほどの調教を行わずに出走することが少なくない。タッチデュールと同じく前走が2週前の東京大賞典だったやはり笠松のユーセイクインサーは時計を出さずにTCK女王盃に出走している。

タッチデュールとユーセイクインサーはいずれも東京大賞典の前はその3週前のクイーン賞に出走したが、ユーセイクインサーは間隔があっても東京大賞典の前の調教欄は中間軽めとだけ記載されている。

タッチデュールのほうは時計を1本出している。それでもTCK女王盃の前と同じく4ハロンという軽いものだが。

そして金沢からTCK女王盃に出走したボルテックスセドナ、驚いたことに金沢競馬場のトラックが閉鎖になったため曳き運動に終始したということだ。

まるでスタネーラではないかとテレビに突っ込んだものだ。スタネーラとは第3回ジャパンカップを勝ったアイルランド調教馬。

来日後体調が悪く東京競馬場に入厩後トラックでの調教が行えず、ずっと4時間以上の曳き運動を行っていたということで話題になった馬である。

2着のキョウエイプロミスに騎乗した柴田政人騎手によればレース直前のスタネーラの追切がすごかったとのことであり、最後まで曳き運動だけだったわけではない。

この曳き運動主体だったスタネーラのレース前の調整過程は、ジャパンカップにより与えられた多くの影響の中で特に厩舎関係者に対しては最も大きかったのではないか。

ウッドやポリトラックはもちろん、坂路さえまだないこの時代、日本の調教といえばダートトラックを主体に調整し、レース直前に追切るというワンパターンに決まっていた。

強いか軽めかの違いは厩舎ごとに特徴があったが、調整方法は他には考えられなかったのである。しかし曳き運動主体、そして勝ってしまったスタネーラ、衝撃だったのである。

ところで中央競馬と地方競馬、同じ競馬とはいってもいろいろ異なることは多い。レース前の調教の方法もその一つである。

レース間隔が比較的長い中央では、レース前には調教の本数を重ねる。調教欄には多くの調教時計が並んで記載されている。

ことろが地方競馬では全く異なることが多い。それでもレース間隔が比較的長い南関東では中央ほどではないが調教時計が書かれている。

しかし中には馬番が飛んでいることがある。馬柱を見ると中2週だったりする。中2週では強い調教は行わない馬もいるようだ。

中2週で調教時計が載っていても短評には調整程度とあり軽い調教であることがわかる。さらにローカルな競馬場になると時計が載っておらず、軽めの調整という短評が記されている馬が非常に多いのである。

これは地方、特に小さな競馬場ではレースを使いながら仕上げているということだろう。



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