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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2016/03/10 14:30

女性騎手◆沢田準の競馬を楽しく

藤田菜七子騎手のデビューは予想できなかったほどの人気を集めたようだ。デビューがJRAではなく3月3日の川崎となったのは異例で驚かされた。

その川崎には普段の倍以上のファンが集まったばかりでなく、メディアが63社、137人も来たというのも驚異である。

メディアが63社というのは競馬関係のメディアだけではなく、一般のメディアも数多くやって来たのだろう。

実際にテレビのニュースやニュースショーで紹介されていたのをあちこちで見ることができた。

中央の16年ぶり女性騎手ということでの人気ということだろうが、かつてのJRAでの女性騎手デビュー時には今回のようなフィーバーにはならなかったではないか。

藤田騎手が競馬学校に合格以後3年、競馬関係メディアは定期的に報じていたが競馬以外のメディアはほとんど扱ってはいなかったと思う。

競馬人気がピーク時よりかなり落ちている現在、久しぶりのJRA女性騎手誕生ということでJRAが各メディアに大いに宣伝に努めたのだろうと推測されるのである。

さらに川崎だけではなく15日の黒潮盃当日の高知でのJRA交流レースにも騎乗すると伝えられている。とうぜん交流戦以外にも騎乗するだろうから、高知でもフィーバーとなりそうだ。

またプロ野球のオープン戦の始球式を行うようであり、さらにテレビのCMにも出演するということだからまさに驚きである。

しかし間違っていけないことはデビューしたばかりでまだ未勝利、藤田騎手はまだ何もしていないということである。

JRAでは1996年に3人の女性騎手のデビュー後、合計6人の女性騎手が生まれているが騎手として大成した人はいない。

JRAとしても女性騎手育成が成功していないことを認識したのだろうか、その後しばらくは競馬学校への女性騎手候補生の採用を止めているのだ。

競馬の人気が高かった時代、男子でも新人騎手に対してはファンもメディアも近年と比較してもっともてはやしていた。

ユースやアンダーの世代で実績のある選手が参入してくる他のスポーツと違い、競馬の騎手は実績はない。しかもまだ少年である。

実績もないのに持ち上げすぎるのは新人騎手の成長を逆に阻むことになりはしないかと危惧していたものである。

もう一つ気になるのは16年ぶりに誕生した女性騎手というフレーズだ。競馬ファンならご存知の通り藤田騎手が日本ただ一人の女性騎手ではない。

地方競馬には何人かの女性騎手がいる。すでに引退したが愛知の宮下瞳騎手は女性騎手最多の626勝、韓国でも1年半騎乗し56勝した。

現役では高知の別府真衣騎手が昨年までに564勝し宮下騎手に近付いている。また2013年にデビューした愛知の木之前葵騎手はイギリスの女子戦で勝つという活躍ぶりだ。

藤田騎手が高知で騎乗することで別府騎手との対戦を期待する記事もあったが、実績には大きな差があるのだ。

藤田騎手のデビューを伝えたメディアは、せめて地方競馬の女性騎手にも触れてほしかったと思ったのである。




◆沢田準【競馬を楽しく】
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