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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2016/05/05 18:00

決勝線あれこれ◆沢田準の競馬を楽しく

少し前のことだが週刊競馬ブックの高松宮記念号に、小島友美氏によるカタールのアルライヤン競馬場の芝の解説記事が掲載された。

この中にコース図が出ておりちょうど中京の回りを逆にしたような競馬場であることがよくわかるが、この図を見て注目したことがある。

それはFinishと書かれておりGoalではなかったことだ。さすが小島氏と思ったのである。

日本では競馬に限らず決勝戦のことはゴールと呼ばれている。しかし辞書によるとゴールはフットボールやホッケーなどの球技のゴールの枠と得点の意味、あるいは目標、さらに競走でゴールという場合は到着目標の意味で用いられるとある。

そして具体的な決勝線はfinish(line)といい、またゴールインは和製英語であるとのことだ。

レースの制裁では決勝線手前で内側に斜行、のように発表されゴールとはいわない。

なぜゴールとしないのかとJRAに聞いたところ英語ではゴールとは言わないからと説明されたと読んだ記憶があるので、JRAはもちろん知っているのである。

つまりJRAでは公式には決勝線と呼ぶということだ。たしかに公式のコース図と思われる競馬番組に掲載されているコース図では決勝線と書かれている。

ところがレーシングプログラムに記載されているコース図、あるいはJRAのホームページの各競馬場の紹介の中のコース図ではゴールとなっておりおやおやである。

それでは各国の英字表示はどうか。FinishあるいはWinning Postである。FまたはWPと略されることも多い。

ジャパンカップでは英語のレーシングプログラムもJRAから発行されているが、このコース図ではさすがにGoalではなくPostとなっていた。

ところでこの英語版、そのままRACING PROGRAMとなっていたがイギリスやアメリカではOfficial Race CardあるいはOfficial Programが普通である。

なおフランス語では到着の意味であるarriver、ドイツ語では目的地の意味のzielで、これはゴールそのものである。

ところで実況放送で、ほとんど同時にゴール板を通過、などとアナウンサーがいうことがあるがゴール板とはどれだろうが。

フィニッシュ地点に立てられているのは写真判定用の鏡であり確かにフィニッシュを示してはいるがやはり鏡である。

写真判定以前にはフィニッシュ地点の内埒には決勝審判がわかりやすいように大きな白い板のようなものが設けられており、そこに黒線が書かれているのでそこだとわかる。

騎手は接戦であっても勝ち負けは大体わかるというが、あの鏡でよくわかるものだと感心する。

自転車のロードやピスト競技ではトラックにフィニッシュラインが描かれているので判断がつきやすそうだが。




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