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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2016/06/24 13:45

ラニとエイシンヒカリ◆沢田準の競馬を楽しく

2頭の日本馬が挑んだ世界のG1レースの結果をどう考えればいいだろうか。

ベルモントステークスのラニは3着。これはある程度は予想というか期待された結果といえるだろう。

ダービーのような多頭数ではなくプリークネスステークスのような小回りではない。3戦目でアメリカのレースにも慣れてきたのではないか。

今回も後方からの競馬になったが、前2走のように置かれることもなく馬群にとりついたレースとなり徐々に上昇していった。

4コーナーではやはり大外を回ることになりかなりの距離損ではあったが、これは脚質や気性の問題もあり始めから覚悟のことだっただろう。

13頭立ての6番人気、初めからアウトサイダーの馬が何頭かいたので中ほどの人気といえるがこれは前二走が評価されたということか。

初めからベルモントステークスを狙うならプリークネスステークスをスキップしたほうが良かったのではという声もあるが、とにかく日本調教馬が三冠を走ったということに価値を認めたい。

注目したいのはラニが必ずしも日本の3歳ダートのナンバー1ではないことである。ヒヤシンスステークスではゴールドドリームから0.5秒遅れの5着。

そのゴールドドリームはユニコーンステークスを勝ったが、接戦の2着だったストロングバローズにもラニはヒヤシンスステークスで負けているのだ。

そのラニの外国での活躍は今後の日本馬にどのような影響を与えるだろうか。UAEダービーにはこれまでも日本から出走していたがこの時期の3歳馬には外国遠征は難しいと思われていた。

しかし昨年ゴールデンバローズが3着、そして今年の好走である。ケンタッキーダービーを控えたこの時期、アメリカの有力馬の参戦は考えにくい。

日本のダート馬にとってUAEダービーは大きな選択肢になるのだろうか。

一方プリンスオブウェールズステークス、ここで特筆すべきことはエイシンヒカリが1番人気、それも8対13というオッズオンだったことだ。

オッズオンとは日本でいうところの2倍未満のオッズのことだ。大本命である。なお1対1、つまり2倍をオッズイーブン、2倍より高いオッズはオッズアゲンストという。

ディックフランシスの競馬小説に「ODDS AGAINST」があり、日本版では「大穴」と訳されている。

2倍を超えた程度ではとても大穴とは思えないが、昔のイギリスの競馬は小頭数のヒートで実力差が大きかったからオッズは低い数値だったのだろう。

イギリスのG1で日本の馬がオッズオンという大本命になる日がくるとはという思いなのである。

エイシンヒカリはプリンスオブウェールズステークスで6着と最下位に敗れてしまった。イスパーン賞での快勝後だけに全くがっかりだったが敗因をどう考えるか。

日本の馬は強くなった。それはイスパーン賞を見ても明らかである。しかし日本馬の活躍の舞台はフランス、香港、ドバイがほとんどである。

日本調教馬がイギリスの主要レースで勝ったのはアグネスワールドのジュライカップで2000年とかなり以前のことだ。

好走馬もゼンノロブロイがインターナショナルステークスで2着、ハーツクライがキングジョージで3着がある程度にすぎない。

これは香港、ドバイのトラックはほぼ平坦、周回も大きくはなく日本の馬場に近く、フランスも坂があるといってもそれほど急ではない。

しかしイギリスの競馬場のトラックはテレビでレースを見るとわかるように細かい凹凸が連続している。イギリスやアイルランドでは平らに整地していないのだ。

このためエプソムのような大きな坂はもちろんそのまま残っている。ニューマーケットは全体としてはほぼ平坦だが細かい凹凸はかなりきつい。

基本的にイギリスの馬場は力が必要なのではないか。日本の馬場はスピードや切れ味が必要とするのとは対照的と思われる。

ディープインパクトには向いていないのではないだろうか。日本では重そうなサドラーズウエルズがイギリスでチャンピオンサイアーを続けたのもイギリスの馬場向けだったからではないかと思う。

その上に今回は雨でかなり馬場が重かった。10ハロンで2分11秒。昨年は2分5秒、2分1秒台の年もあったから今年は非常に悪かったようだ。

イギリスやアイルランド、そしてヨーロッパもだが雨が降ると馬場が非常に悪くなる。アイルランドでは1マイルで1分40秒以上かかるのは当たり前だ。

ヨーロッパの馬場は日本の馬場とは異なり水はけがよくない。一度悪くなるとなかなか乾かない。日本の有力馬はこのような重い馬場にはなかなか対応できないのである。




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