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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2016/08/05 17:00

サマーシリーズ◆沢田準の競馬を楽しく

JRAの夏季競馬はすでに新潟と小倉そして札幌に入り後半戦に入った。もっとも6月の東京と阪神も夏季開催に含まれているからすでに半分を過ぎていることになる。

しかし2歳戦が始まり3歳と古馬が混合戦になっているといっても、東京と阪神ではファンには夏競馬に入ったという気分にはならない。

函館が始まり福島と中京になってようやく夏季競馬なのである。福島中京は4週間、新潟小倉は6週間、本格的な夏季競馬はちょうど半分が経過したところである。

かつては夏競馬というと重賞は少なく、新潟記念と小倉記念が同じ日に行われるなどいかにもオフシーズンという雰囲気があったが、現在では毎週どこかで重賞がありメインシーズンの延長である。

馬券の売り上げの低下が続き中央場所のほうが馬券が売れるということで以前は8週間だった開催が6週間に減少しているが、馬券の売り上げが戻ったこともあり再び8週間に戻せないだろうか。

せっかく函館競馬場と札幌競馬場を新しくしたのであり、6週間で終わってしまうのはもったいない気がするのである。

さて夏季開催の番組を見ていていまだにしっくりこないことがある。北九州記念が1200メートルであることだ。北九州記念は長い間1800メートルでファンもこの距離になじんでいた。

これが1200になったのは2006年のことだからもう10年を過ぎた。もうなじんでもいいころだが、私が競馬を始めた時から小倉の夏開催の1800という印象がいまだに強いのである。

もちろん距離が変わったり開催競馬場、開催時期が変わる重賞は珍しくない。例えばダービー卿チャレンジトロフィーは秋の東京の1800だったが中山に移り、春の1200になり、その後1600になって現在に至っている。

北九州記念が1200に変わったのはもちろんサマースプリントシリーズができたためだ。このシリーズのためにCBC賞をG2からG3に落としてこの時期に移し、キーンランドカップを新設した。

さらに秋に阪神のセントウルステークスをG2に格上げしてこのシリーズを作り上げた。全6戦である。同時にサマー2000シリーズも作られたが、こちらはもともと五つの2000メートルのレースがあったため変更はなかった。

その後中京競馬場の改装によって1600の距離が新設されたため、中京記念を春から夏に移し1600に変更、関屋記念とオータムハンデとあわせてサマーマイルシリーズが作られた。

しかし夏の主競馬場であるローカル競馬場は1600の距離のレースを行える競馬場は少ないため、マイルシリーズは3レースだけでしかないのである。

ところでこのようなシリーズは、馬を出走させる側つまり馬主や調教師、そしてファンの側がどのように考え対応しているだろうか。

まずファンの側だがこれはそれぞれ個々のレースとして馬券を買うしかない。馬券を買う上でシリーズであることを考慮することは全くないのである。

ファンとして思うことがあるとすればやけに短距離レースが多いなということくらいだろう。

それでは馬を出走させる側はどうか。これはシリーズチャンピオンにどれほどの価値があるかによるだろう。

今年のチャンピオンの表彰内容はスプリントと2000はチャンピオンの馬主に3200万円、厩舎関係者に800万円、マイルはそれぞれ2400万円と600万円だ。またシリーズチャンピオン騎手は100万円と30万円の賞金である。

それぞれがこの褒賞金を獲りに行くかどうかだ。というよりもこの褒賞金があることによってレースの興味を増すことができるかだろう。つまりこれによってファンに面白いレースを提供できるかどうかだ。

ファンはシリーズであることを意識して馬券を買うわけではない。単にシリーズチャンピオンが決まればいいということではないのである。

例えばクラシックレースであればそれまでのいくつものステップレースを戦い、その中で勝ち上がった馬が最終決戦で勝者を決める。ファンはそこに引き付けられ熱狂するのである。それが競馬の人気の原点だ。

しかしサマーシリーズにはそのようなファンを熱狂させるストーリーができるだろうか。かなり疑問のように思えるのである。





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