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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2016/08/26 13:30

ブックメーカー◆沢田準の競馬を楽しく

馬券発売のシステム、システムといってもいろいろな切り口があるが、今回は根幹であるブックメーカーとパリミュチュエルについてである。

ご存知の通りイギリスやアイルランドはブックメーカーが主体、フランスや日本はパリミュチュエルに限定されている。

イギリスやアイルランドでは単勝が主体だからブックメーカーによる発売が可能、逆にフランスや日本のように高配当馬券が中心の国はとてもブックメーカーでは売れないからパリミュチュエルともいえる。

しかしこれはブックメーカーあるいはパリミュチュエルによる馬券発売となった結果によるものであり、フランスではブックメーカーを禁止するためのパリミュチュエルの採用、また日本ではもともとブックメーカーが存在しなかったというそれぞれの歴史がその原因だろう。

現在では日本でもブックメーカーとはどのような存在か理解されているが、かつてはブックメーカーとは何かがほとんど知られていなかった。

文字で表記すること自体がむつかしくブックメーカーというカタカナではわからない。まさか本屋とは思わないだろうが。そこで賭屋、ひどい場合は呑み屋と書かれていた。

もちろん呑み屋としては全くの間違いだが、賭屋としてももともと日本では賭けの胴元という商売は存在しなかったのでわからなくてもやむおえなかったのである。

私が初めてイギリスの競馬場に行ったのは40年近く前になるが、ブックメーカーの姿を直接目にして大変に面白かった。もちろん日本で手に入れたイギリスの書籍で存在は知っていたが、なるほどこれかと思ったものである。

私は馬券は単勝専門という人間なので、ブックメーカーとパリミュチュエルの比較がよくわかるのだ。

パリミュチュエルでは絶対に楽しめないのがブックメーカーを渡り歩き買いたい馬のオッズが高いブックメーカーを捜すことだ。

もちろんオッズに大きな差があるわけではないが、それでも少しでも高いところで買うのは予想以上にうれしいものである。

しかしブックメーカーで馬券を買う最大のメリットは勝った時点でのオッズが保障されていることだ。パリミュチュエルでは買った時と確定オッズがかなり異なることが多い。

それもPATがなく場外の締め切り時間が発走の1時間前、30分前という時代ではオッズはそれほど変動はなかったと思われるが、現在のように締め切りが発走2分前で、しかも売り上げの多くがPATで締め切り直前に大量に投票される現在では、直前のオッズの変動が激しい。

そして人気サイドの馬券のオッズが下がることが多いようだ。同じようにオッズを見ながら買うにしても、本場や場外ではあまり待っていると買いそこなう危険があるが、PATならぎりぎりの時間で買うことができる。

オッズが保障されているということは馬券を買ううえで本当にありがたいことなのである。

初めてブックメーカーを見るうえでもう一つ楽しみだったのがチックタックマンを実見することだった。チックタックマンとはブックメーカーの間でのオッズを調整するために、両手の合図で何番は何倍と知らせる人だ。

これも書籍の写真で知っていたのでなるほどこれかと思ったのだが、もしその存在を知らなかったらさぞかし驚いたことだろう。

携帯電話の発達でこのチックタックマンは今や姿を消してしまったようで競馬場の風景が変わってしまったのは残念なことである。

凱旋門賞が近くなりグリーンチャンネルの地中海競馬モードで出走予定馬のオッズを紹介している。このオッズは大手ブックメーカー3社のものであり、このようなブックメーカーはイギリス、アイルランドの全国の各都市にある店舗で馬券を販売している。

このオッズは日本では倍率で表示しているが11倍とか21倍とかという数値になっており、10倍、20倍といったきっちりした数値ではない。

前期のイングランドプレミアリーグで優勝したレスターシティのあるブックメーカーのオッズが5001倍だったことが日本でも大きな話題となった。

このオッズはもちろんある種の冗談で、絶対に優勝しないだろうが高いオッズをつけておけばレスターのファンが買ってくれるのではないかということでつけたものである。

しかし5001倍ということで、なぜ5000ではなく1という半端がついているのか不思議に思われたのではないだろうか。

これはいうまでもなく5000対1というオッズだが、この表記は日本では慣れないので日本風の倍率表示にしたものである。

日本では的中した馬券の購入額の何倍の金額が配当額かという表示となる。購入100円で配当が200円なら2倍というわけだ。

しかしブックメーカーのオッズは購入した額に対してどれだけ儲かったのかという表示になる。日本式の2倍は1ポンド購入して利益が1ポンドということで1対1となるわけだ。

ブックメーカーのオッズは10対1、20対1と出されるが、日本式の倍率で表すため11倍、21倍になるという訳である。



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