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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2016/10/27 18:30

日本のレース画像◆沢田準の競馬を楽しく

前回の本欄では外国のレース画像があまり見やすいものではないことを説明した。それでは日本の画像はどうだろうか。

日本のファンは気付いていないだろうが、実は日本のテレビの画像は世界のなかでも見やすさではトップクラスなのである。

イギリスやアイルランドと比較して、日本競馬場はすべて周回コースで比較的小回りのため画像を作りやすいということもあるが、それだけにとどまらずいろいろ工夫がされている。

例として中山の2000メートルのような4コーナーからスタートして馬場を一周するレースを考えてみよう。

スタートから1コーナーを回るあたりまではスタンドに置かれたカメラで撮影する。これは日本だけではなくどの国でも同様だ。

もっともイギリスやアイルランド、スランスの競馬場では馬場を一周するレースはほとんどないから、外国ではアメリカ、香港、ドバイがこれに当たる。

日本の画像が優れているのはこの先だ。画面は上下二分割となり上は馬群全体、下は馬群のアップの画像となる。馬群全体の画像はスタンドから撮影されたものであり、アップのものは内馬場に置かれた櫓からのものである。

そしてアップの画像は先頭から後方まで順番にパーンしていく。ほとんど真横からの画像になるため各馬の服色、ゼッケン番号がはっきりわかるのだ。

さらにアナウンサーが馬名だけではなく親切にも馬番も言ってくれることも多いのである。

馬群が縦長なのか一団か、あるいはアップされている馬がどのあたりにいるかは上の画像を見ればよい。

一方アメリカと香港では馬群全体の画像のため頭数が多いレースでは馬が小さく馬の識別が容易ではなく、もちろんゼッケン番号は見えない。

アメリカでは日本と同じく上下分割の画像の競馬場もあるが、アップ画像ではなぜかパーンしないので、常に先頭あたりの馬しか映っていないのである。

またドバイは内埒沿いを並走する車からの車載カメラの画像のため、馬群の中団から後方は先頭部の馬の陰になってよくわからないのだ。

イギリス、アイルランド、フランスでは直線までは車載カメラだったりクレーンの上に乗せたカメラだったりで、いずれにしろ日本の画像のような作りはできない。

しかし日本のレース画像にも問題がないわけではない。なぜか並走する車載カメラの画像がいいと考えている向きがあるようで、JRA公式テレビ放送ではジャパンカップなどの大レースで車載カメラを使うことがある。

ところが日本では車はダートの内側しか車が走る道が無いようで、はるかに離れた芝コースを走る馬の姿は小さくてまるで識別できない。全く余計なことをしてくれると思わざるを得ないのである。

また大井などでは向こう流しをパトロールタワーからと思われる高い位置からの正面画像を使っている。しかし正面画像ではゼッケン番号はもちろん見えないし、馬の前後間隔がわかりにくい。

正面からのカメラといえばスタートが正面カメラのことがあるが、この画像では出遅れがわかりにくいという問題もある。

しかし私が以前から不満に思っていることがある。それは直線に入ってしばらくは馬群全体をとらえているが、途中で大体はあと1ハロンになろうかというときに、先頭部分だけのアップになってしまうことだ。

自分が買っていた馬が後方にいるときには、その馬が画面から消えてしまうのである。しばらくたつとまた馬群全体に戻るが、その間後方の馬がどう走っているのかわからない。

その後伸びてこなかった場合でも、単に脚がなかったのか、不利を受けることもいくらでもあるのが競馬である。それがわからないというのは次のレースの参考にする上で困るのである。

外国のレース画像についていろいろ問題点を並べたが、この直線でのアップというのは日本だけの独特のもので、外国の画像では見ることができない。ここだけは日本の画像が劣っているのだ。

さらにゴール前でも先頭を争う何頭かのアップになるが、馬券には絡まない着順でも一気に追い込んでくる馬は多いが、その追い込みも見ることができない。

後で着順を見てどこから来たのかと驚くが、このような追い込みも見せてくれなくてはレース画像として問題なのである。





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