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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2016/11/25 17:15

経済誌での競馬特集◆沢田準の競馬を楽しく

書店で雑誌棚を見ていたら藤田菜七子騎手の写真が飛び込んできた。しかしスポーツコーナーではない。なんと日本の代表的な経済週刊誌である「東洋経済」なのである。

表紙には「経営者も引き付ける 競馬の魔力」の大きな字が。競馬ブーム以前は一般誌が競馬を特集することなどはなかった。

競馬ブームにより新しい競馬雑誌が続々と出版されたばかりではなく、一般誌でも競馬が扱われた。その後競馬ブームの終焉とネット社会により競馬雑誌は減少し、他の雑誌でも競馬を扱うことは少なくなった。

その今、一般誌ではない経済誌という特殊な分野の雑誌が、競馬の特集を行ったのかといささか驚いたのである。

もっとも私は東洋経済を購読してはいなかったので、過去にも競馬を扱ったことがあったのかは知らないが、表紙にはさらに「20年ぶりの人気復活はホンモノか」とも書かれているので、東洋経済の編集部はそのように見ているようである。

そういえば競馬ブーム以降、たびたび競馬特集を行っていた「スポーツグラフィック ナンバー」誌は、競馬ブームが去ったのちはもう競馬の特集は行わないと言っていたようだが、11月に武豊騎手4000勝の特集を行った。

どうやら出版界は競馬ブーム復活とみているようなのである。

なおこの表紙の藤田騎手の写真は4枠で服色は青、白十字襷、ピンクの覆面には「菜七子」の文字。これはJRAのレースではない。地方競馬の専門家に聞いたところ川崎ということだった。

表紙につられて手に取ってみると、「企業経営者もズラリ 華麗なる馬主群像」「エコノミストが語る 競馬の正しい楽しみ方」など競馬専門誌ではいささか変わった視点の記事もありそうであり、購入してみたのである。

競馬の特集ページは36ページにわたっている。記事は東洋経済の記者によるものと競馬ライターによるものがあり、後者は署名付きであり区別できる。

さすがに経済誌と思われたのは上記の著名人馬主の紹介の記事で、金子真人図研社長、里見治セガホールディングス社長、青山洋一エム・エイチ・グループ創業者、野田順弘オービック社長、野田みづきオービック相談役、吉原毎文東京製綱社長といった大手馬主が並ぶ。

この他にも必ずしも大馬主ではないが、草間庸文アサックス社長、塚本能交ワコールホールディングス社長、中西浩一オンリー会長兼社長、村山義男タラカレーベン会長という経済界での著名人の名も載せられている。

もちろん北島三郎氏、佐々木主浩氏も出されており、Dr.コパさんは建築家となっているのが面白い。

この他では「時代を彩った名馬たち」「転落からの復活劇 天才武豊の真実」のようないかにもといった記事もある。

しかし一方では「高まるネット依存 JRAの直面する課題」「日本競馬を席巻する社台グループの実像」「経営危機から一変 息を吹き返す地方競馬」というように単なる競馬の紹介ではない経済誌らしいテーマの記事もある。

ここに紹介した五つの記事はいずれも競馬ライターによるもので、競馬ファンにもなるほどと納得できる内容である。

一方では東洋経済の記者が競馬関係者にインタビューして書いたと思われる記事のほうは、競馬ファンの目から見ていささか疑問に思わえれる内容があるのも確かなのだった。

もっとも経済誌である「東洋経済」が競馬を特集したということが最も大きなことだったといえるのだろう。





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