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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2016/12/02 12:30

ホープフルS◆沢田準の競馬を楽しく

週刊競馬ブックのジャパンカップ号で水野隆弘記者がホープフルステークスについて触れていた。

ホープフルステークスは来年からG1に昇格する予定だ。しかしG2として重賞に昇格して2年、G1となるにふさわしい馬が上位を占めていない。G1昇格は時期尚早ではないかという内容である。

私はもともとホープフルステークスのG2格付けには反対だった。しかも1着賞金は他の2歳G2の3600万円よりはるかに高い6500万円、これがに近い将来のG1格上げを予定したものは明白だったのである。

それではホープフルステークスが将来のG1格上げを見越してG2となったのはどのような理由からだろうか。

これは水野記者も書かれているように、実質的な前身であるラジオNIKKEI杯2歳ステークスから将来の主要レースの勝馬が続出していた。

このためG1である中山の朝日杯2歳ステークスより実質は上でないかという考えられたのである。

2歳牡馬の年度代表馬はG1である朝日杯の勝馬が選ばれるが、ラジオNIKKEI杯の勝馬ではないかと考えられる年もあった。

この一種の逆転現象を解消するためにホープフルステークスのG1化が考えられたと思われる。

それではなぜG1の朝日杯よりG3のラジオNIKKEI杯に有力馬が出走してきたのだろうか。

それは春のクラシック、特に皐月賞との関連による。皐月賞は2000m、しかし朝日杯は1600mで距離適性が異なる。

一方ラジオNIKKEI杯は2000mであり2歳チャンピオンより春のクラシックを狙う馬はラジオNIKKEI杯に行きたい。

さらにダービーを考えれば1600mより2000mを選ぶというのはよくわかるのである。

一方牝馬のほうは阪神ジュベナイルフィリーズに有力馬が集中する。

ラジオNIKKEI杯に対応するレースとしてはG3のフェアリーステークスがあったが、1200mであり牝馬の短距離戦でクラシックにつながるレースではなかった。

1200mだったのは2007年までで、2009年は1月に1600mと変わったが、単なる牝馬の重賞の一つになっただけだった。

しかし阪神ジュベナイルフィリーズに有力馬が集中する最大の理由は、桜花賞とコース、距離が同一のためである。2歳牝馬チャンピオン戦であるばかりではなく桜花賞への最大トライアルとなれば、有力馬がこぞって出走するのは当たり前だ。

一方牡馬は二つのレースに分裂している。JRAとしても何とかしたいというところだったのだろう。

この状況の根本的な原因は桜花賞と皐月賞の距離が異なるということである。

日本のクラシックはイギリスに倣ったものとされ、ヨーロッパ各国は1000ギニーと2000ギニーは1600で揃っているが日本だけは例外になっている。

中山に1600mの距離ができたのは後年のことで、皐月賞が戦後2000mだったのは物理的に仕方がなかったことである。

もっとも戦後の初めの1947年、48年は東京に1600mがあったはずだが、それでも東京の2000mで行われているので、当時は牡馬のマイルというレースは重要視されなかったのだろうか。

さてここからが本題だが、私は当初からホープフルステークスのG1化には疑問を持っていた。それは牝馬の2歳G1は阪神ジュベナイルフィリーズだけであるのに対し、牡馬の2歳G1が二レースとなりバランスを欠くためである。

朝日杯とホープフルステークスは条件は牡馬限定ではないが、牝馬がこの両レースに出走することはまれである。

世界の主要競馬国では、2歳の大レースは牡馬と牝馬はほぼ同じ条件でレースがセットで組まれている。

ブリーダーズカップでジュベナイルとジュベナイルフィリーズが同距離同賞金で行われるのがその代表だが、イギリスのミドルパークステークスとチェヴァリーパークステークスなどその例は多い。

日本の場合は同競馬場、同距離ではないが2歳G1のレース数は同じだった。しかしホープフルステークスがG1となると、あきらかに牡馬重視ということになってしまう。

どうしても皐月賞と同コース同距離にしたいのであれば、従来の朝日杯を2000mにし、ラジオNIKKEI杯を1600mに短縮すればよかったと思われるのである。





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