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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2016/12/16 11:45

香港国際の将来◆沢田準の競馬を楽しく

今年の香港国際レースは日本馬2勝、香港馬2勝という結果になった。昨年も2勝しており日本馬の活躍が著しいこの2年である。

しかし過去に日本馬が最も活躍したのはいうまでもいなくステイゴールドがヴァーズ、エイシンプレストンがマイル、アグネスデジタルがカップと実に3勝した2001年である。

だが2001年当時とこの2年では日本馬の香港での出走の様子はかなり異なっているのである。

日本馬が初めて香港で出走したのは1993年。4月の1400メートルのボウルに出走したが最下位、同年12月のボウルとカップに2頭が出たがやはり大敗した。

1994年にはヴァーズ、ボウル、カップに各1頭が出走、2頭が4着とある程度の成績を上げた。

そして95年、前年に4着していたフジヤマケンザンがついにカップを勝ったのだった。

従来はローカルグレードだったボウルとカップがこの年から国際G2に格付けされており、フジヤマケンザンは日本馬で国際パターンレースを勝った初めての馬となったのである。

この年にはスキーキャプテンがケンタッキーダービーに、ダンスパートナーがヴェルメイユ賞に挑戦しているがいずれも敗退、外国の主要レースで日本馬が勝つのはまだまだ先のことと思われていただけに、日本の関係者、ファンは大いに驚き、また喜んだのである。

その後の香港では98年にミッドナイトベットがカップを、2005年にはハットトリックがマイルを勝つなど日本馬が勝つのは珍しくなくなった。

このころにはエルコンドルパサーが凱旋門賞に2着する(99年)など、国際レベルで日本馬がある程度通用することがわかってきたのである。

しかし香港国際の各レースへの日本馬の出走はそれぞれ1頭か2頭であり、2001年に6頭、2006年に7頭と日本馬が出走したことがあったが、その他の年は多くても5頭で2頭の年もあった。

ところが2014年に日本馬が4レースに9頭という多頭数、しかもマイルに4頭、スプリントに3頭と一つのレースに日本馬が集中した。この年はマイル、スプリントの3着が最高だった。

しかし翌2015年にはスプリントに3頭、マイルに3頭、カップに4頭と合計10頭でマイルをモーリスが勝ち、カップはエイシンヒカリとヌーヴォレコルトで1、2着を独占した。

そして今年である。日本馬はさらに増えて13頭。この日本馬の増加は出走馬の分布に大きな変化をもたらした。

2012年から2016年のこの5年。日本馬は順に5頭、3頭、9頭、10頭、13頭。一方日本以外の外国馬は取消を含めて22頭、24頭、14頭、19頭、14頭と減少傾向にある。

しかも今年、カップは香港馬6頭、日本馬5頭に対しその他の国はフランス馬の1頭のみ、マイルは香港馬10頭、日本馬3頭に対しその他はアイルランド1頭と、この両レースはほとんど香港対日本というレースになってしまった。

スプリントは香港、日本以外から5頭出走したが、4着までを香港馬が占めた。

この5年、スプリントは香港馬3勝、日本馬2勝、マイルは香港馬4勝、日本馬1勝、カップは香港馬3勝、日本馬2勝と、香港と日本がその他の国に対して圧勝しているのである。

ヴァーズだけはここ5年、イギリス、香港、フランス、アイルランド、日本と各国の馬が勝っている。

これは香港馬は有力な長距離馬が少なく、また日本はジャパンカップと有馬記念の間になるため有力馬の出走が少ないためだろう。

それだけに今年、断然人気で連勝を狙ったハイランドリールが日本でも実績の低いサトノクラウンに差されてしまったのは大きなショックに違いない。

ハイランドリールでも負けてしまうのなら、わざわざ遠い香港まで負けるために遠征する必要はないと考えるのはむしろ当然である。

サトノクラウンが勝つのならチャンスはありそうだと、今後は日本からもヴァーズへの出走が増えるかもしれない。

いずれは日本以外から香港のレースに出走する外国の馬はさらに減ってしまうのではないだろうか。いわば香港国際レースのジャパンカップ化の可能性である。





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