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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2016/12/22 15:00

ハイランドリール◆沢田準の競馬を楽しく

ハイランドリールが香港ヴァースに出走したことでジャパンカップの存在価値を疑問視する向きがある。

香港国際の4レースの中で現在ではヴァーズの賞金はもっとも低くなり、1着賞金が約1億5000万円でジャパンカップの半分である。

ハイランドリールはジャパンカップと香港ヴァーズのどちらかに出走するかを検討し、賞金が安いにもかかわらず香港ヴァーズを選んだというのである。

ハイランドリールが本当にジャパンカップと香港ヴァーズを天秤に掛け、香港ヴァーズを選んだのかはわからない。

しかしこのことから外国馬にとってジャパンカップ、さらには日本の競馬にはいくつかの問題があり、これを解決しなければ今後外国馬は日本にはやってこないという意見である。

またこのこととは別だが、外国馬にジャパンカップの魅力を感じてもらうためにはさらに賞金を上げるべきという声もある。

だがハイランドリールにとって、賞金がレースに出走する最大のモチベーションだろうか。

ハイランドリールはキングジョージ6世&クインエリザベスステークスとブリーダーズカップターフを勝ち凱旋門賞2着という実績から、引退後の種牡馬入りは確実である。

そしてより高いシンジケートを結び、あるいは種付料を得るためには、競走馬としての成績が重要だ。

フランケルのような完璧な成績は求めないまでも、一つでもG1を勝っておきたいし、もちろん敗戦は大きなマイナスになる。

ジャパンカップと香港ヴァーズを、勝つという観点で比較すると、ジャパンカップより香港ヴァーズのほうがはるかに勝つチャンスが高そうだ。

というよりジャパンカップに出走した場合、今や強くなった日本馬に、しかも敵地では負ける可能性が高い。

そしてジャパンカップに出て負けてしまった場合、種牡馬としての価値が下がってしまうことになる。

ジャパンカップで大きく負けた場合、賞金が入らないばかりでなく、引退後の種付料が下がるというマイナスが発生してしまうのである。

ジャパンカップの賞金が香港ヴァーズの倍であっても、負けた場合のマイナスを考えれば昨年勝っている香港ヴァーズのほうがメリットが大きいということだ。

それだけにサトノクラウンにまさかの敗北を喫したのは大きな痛手だったに違いないのである。

日本ではレースは賞金を稼ぐことが目的と考えられているし、実際にレースの重要度と賞金はほぼ比例する。

しかしヨーロッパやアメリカの競馬主要国では、レースは種牡馬や繁殖牝馬としての価値を高めるためにあるという面が大きい。

特別なレースを除けば、Gレースといっても欧米の賞金は日本と比べるとかなり低いが、賞金は低くても価値の高いレースは多いのである。




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