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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2017/02/01 18:45

競馬のアイコン◆沢田準の競馬を楽しく

週刊ギャロップでは年末から年明けにかけて競馬以外の有名スポーツ選手との対談記事が掲載された。

競輪選手の村上義弘選手、そしてプロ野球のである山本昌元投手である。村上選手の場合は競輪グランプリの直前であり、その宣伝を兼ねてという意味もあったが、村上選手が見事にグランプリで優勝したのは大ヒットだった。

そして競馬界を代表して対談の相手になったのが武豊騎手である。武騎手が二人とは旧知の間柄ということもあったが、やはりこのような時に出てくるのは武騎手しかいないのかとも思わされたのだった。

週刊ギャロップは競馬雑誌であるから、このような時に競馬界から出てくるのは武騎手ではなくても読者はなんとも思わないかもしれない。

しかし競馬専門ではない雑誌が騎手と他のスポーツ選手との対談を企画したとすると、騎手では武豊騎手以外には考えにくいのではないだろか。

これは雑誌に限ったことではない。テレビにしても何にしても武騎手以外の騎手を登用しようとは考えないだろう。

つまり競馬の外の世界で知られている騎手は武豊騎手だけということだ。現在だけは藤田菜七子騎手がいるが、彼女は失礼ながらバブルである。

しかしその武騎手はもうじき48歳だ。調教師に転向する気はないようだからまだまだ騎乗するだろうが、しかし競馬界はそろそろ次の一般世界でその名が知られるような騎手を送り出す必要があると思う。

しかしジャンルを超えた人気を獲得するのは簡単ではない。武騎手はデビューからずっと見ているが、どこで現在のような競馬界の外での人気を得たのか、どうにもわからないのだ。

デビューから抜群の成績だったことは間違いがない。しかしトップクラスとなる騎手は武騎手ほどではなくとも新人時代から好成績を上げることも少なくない。

しかし武騎手以外は競馬界内で有名であるにとどまっている。父親が名手だった武邦彦元騎手であり競馬の世界ではデビュー前から注目されてはいた。しかし武邦彦騎手が一般に知名度があったかといえばそうではないのである。

競馬のような限られた範囲で行われている世界では、その外へ飛び出した注目を得るというのは難しい。計画的に達成できるものではないのだ。

これはお隣の競輪界でも同様だ。世界戦プロスプリント10連勝の中野浩一選手以来、一般世界で知られる存在となった選手は今になっても皆無なのだ。

その後オリンピックでメダルを獲得した選手も出現し、競輪界はその選手をフューチャーして競輪人気を盛り上げようとしたが残念ながら徒労に終わっている。

競馬界が一般の世界で、誰もが知っているような存在、つまり武騎手の後継者を送り出すことができるだろうか。いわば競馬のアイコンである。たとえ偶然性があったとしても、何とかならないのかと思うのだ。

これが野球やサッカー、大相撲となると話は別だ。黙っていてもメディアが取り上げてくれる。稀勢の里新横綱などテレビで見ない日はない。

いくら競馬が市民権を得たといっても、そのようなメジャースポーツに比べるとまだまだだと思わされてしまうのである。






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