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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2017/02/09 18:15

ペガサスワールドカップ◆沢田準の競馬を楽しく

ガルフストリームパークで新設されたペガサスワールドカップがおこなわれた。しかしこのレースは何かと不思議なことがある。

昨年までこの時期に行われていたG1のドンハンデの発展形として行われたために、G1のグレードを得たが実質的は新設である。

総賞金1200万ドルとブリーダーズカップクラシックの倍以上であり、どのようにしてこの高賞金を賄うのかと不思議だった。

高賞金レースを行うのには通常はスポンサーをつける。例えば凱旋門賞ウイークはカタールという国がスポンサーになっている。

一日や二日に大レースを集中する開催が増えているが、これはスポンサーを誘うためなのである。

ところがペガサスワールドカップは1レースだけ行われるからスポンサーがつきそうにはない。

そこで考えられたのが100万ドルという高額な出走登録料を設定し、フルゲート12頭で1200万ドルを集めるという驚くべき方法を採ったのである。

そして賞金の分配も妙だ。1着700万ドル、2着175万ドル、3着100万ドル、そして4着から12着まではいずれも25万ドルと均一なのである。

これでは3着までに入れないとなると騎手もちゃんと追わないだろう。

それで4連単、5連単を売っているから不思議だが、ゴール前で3着か4、5着になるかは騎手は簡単にはわからないだろうから心配は不要かもしれない。

アメリカでは下位の着順の馬に均一の賞金を出すことは一般に行われている。

ブリーダーズカップクラシックでは1着330万、2着102万、3着54万、4着30万、5着18万で6着以下がそれぞれ6万であり、この程度が一般的である。

ペガサスワールドカップは均一の賞金となるのが4着と早いばかりであるだけではなくその賞金額も高いのだ。

25万ドルは出走登録料の4分の一であり、実質の登録料は75万ドルということになる。

そしてこのレース、アロゲートとカリフォルニアクロームというというとびぬけた二頭が出走することが前提になっていた。

しかも登録料は格別に高い。普通なら他の出走馬は集まりにくいはずだ。ところがこのレースでは100万ドルを出す馬が12頭集まらなくてはならないのである。

ところが2強以外に10頭が出走してきたのだから驚きである。さすがに出走馬のレベルは高くない。

2着のシャーマンゴーストはカナダ産でカナダのダービーというべきクイーンズプレートやG1ウッドウォードステークスを勝ち、前走のG1クラークハンデは3着だからまずまずの成績だ。

しかし3着のネオリシックは前走は総賞金3万7千ドルのアローアンスを勝ったばかりで、グレードレースではG3の2着が1回あるだけという馬だ。

この他ではG1の勝馬でGレースの常連であるキーンアイスやノーブルバードのような実績のある馬もいる。

しかし一方では前走がクレーミングレース6着でとても勝負にならないような馬が出走したりもしている。

なぜこのような馬まで高い登録料を払って出走してきたのだろうか。なんとも妙なレースだと言わざるを得ないのである。

しかも勝ち時計はビデオを調べた結果、当初の発表のものより早くなりレコードになったというのだからあきれてしまうのだった。




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