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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2017/07/14 16:00

せり◆沢田準の競馬を楽しく

セレクトセールが終わり来週にはセレクションセールがおこなわれる。以前と現在の競馬は全てが変わったといってもおかしくないが、せりの変わりようもその一つである。

かつては有力馬はほとんどすべてといってもおかしくないほどが庭先取引、つまり生産者と馬主あるいは調教師との直接の取引で売られていた。

せりは小規模では行われていたが、そこに出てくる馬は弱い馬とされていた。

外国では大規模にせりが行われていることは伝えられており、日本も外国のようにせりを行うべきという声はあったがなかなかむつかしいと思われたのだった。

せりが低調であり、またせりで取引された馬のレベルが低いことは当時の記号の存在に示されている。

競馬での記号というのは外国産馬を表すマル外などのことだが、かつては市場で取引された馬にマル市、つまり丸の中に市と書かれた記号があったのである。

これはもちろん単に記号を付しただけではない。市場取引馬奨励賞という賞金があり、抽選馬とマル市にこれが交付されたのだった。

この額は昭和52年では当時の8大レースでは1着馬に300万、2着に120万、3着に80万が交付され、その他の重賞は1着だけに200万、特別レースは100万、一般レースは60万、新馬未勝利は30万だった。

その後これはさらに拡大され昭和63年の時点ではG1だけではなくすべてのレースで5着までに交付されるようになっていた。

この市場取引馬奨励賞はその名の通り別途に賞金を出して、せりを活発にしようという目的であることはいうまでもない。

この賞はその後増額され平成13年まで同じように続いていた。ところがその後この賞金の形は大きく変わることになる。

平成14年には賞金額が減額されたばかりではなく、交付対象から4歳以上馬が除外されてしまった。

さらに平成17年には交付対象レースが2歳、3歳の500万下の平場と新馬、未勝利だけになり賞金額はさらに下がってしまった。

そしてついに平成20年にはマル市の記号が廃止となったのである。もちろん市場取引馬奨励賞は廃止だ。

この急激な廃止に至る時期は、まさにセレクトセールで取引された馬が活躍するようになった時期に合致するのである。

なお同じような位置付けになる父内国産馬奨励賞は、市場取引馬奨励賞と同じように縮小されていたが、前年の平成19年に廃止されている。





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