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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2017/11/23 12:00

レースのアップ画像◆沢田準の競馬を楽しく

クラブワールドカップというサッカーの国際トーナメントがある。

これはヨーロッパと南米のクラブチャンピオンが対戦し、クラブの世界一を決めるという試合がトヨタカップの名で日本で行われていたが、アジア、アフリカ、北中米カリブ海、オセアニアのチャンピオンを加えて真の世界のクラブチャンピオンを決めようというトーナメントである。

トヨタカップの流れでしばらくは日本で開催されていた。現在は他の国で行われることもあるようになっている。

もちろんテレビ中継画像は世界各国に送られるが、外国からあるクレームがついたということだ。日本からの画像はアップすぎるというもののようだ。

サッカーの中継画像は全体のフォーメーションを視聴者に見せるために、かなり引いた画像にしなければならない。もちろん個々の選手の表情どころか誰だかさえよくわからない。

選手の識別は肌の色だったり髪の毛のスタイルや体格、また選手のポジション(あの場所にいるのは誰のはずだ)、最近はシューズの色も使う。視聴者もかなりの知識が必要というわけだ。

選手をアップするのは試合が止まったとき、あるいはタッチラインそばに置かれているテレビカメラの近くでのファイトがあったときに限られる。

つまり日本の中継画像は世界のサッカー中継のスタイルの常識とやや離れているということである。

Jリーグができた当初、大変な人気となり盛んにテレビ中継が行われたがこれが完全なアップ画像の連続で、画面に突然ボールが飛び込んで来るような画像ばかりでサッカーを見せるには全く不向きな放送だった。

なぜそのような画像だったのか。それはそれまでのスポーツは野球がメインだったためだろう。野球はアップが主体だ。日本のテレビ関係者はスポーツの種類により画像の撮り方が異なるという感覚がなかったのではないかと思われる。

現在ではさすがに理解していると思うが、それでもかつての撮り方が今でも後を引いているということだろうか。

サッカーのこの話を聞いて、競馬でも同じようなことがあるということをいつも感じていた。本欄でこれまで日本の競馬中継画像が他国のものより優れていることを紹介してきた。

グリーンチャンネルでオーストラリアのレースが流されたが、馬群全体を引いたカメラで撮るというもので多頭数では各馬の識別が難しいのである。

しかし日本の競馬の映像で問題なのは最後の直線だ。直線に向いてからしばらくは馬群全体が写される。ところが先頭部分にズームアップしそして後方にパーンしていく。

このような撮り方のためかんじんの直線で見たい馬の姿が一時切れてしまう。さらにその後はゴール地点のカメラに切り替わり馬群全体の画像になるが、ゴール前ではズームし先頭部分のアップになることが多い。

このため後方から追い込んでくる馬の姿は写らない。しかし競馬ではゴール前で一気に追い込むことも少なくない。

このような馬は突然画面に飛び込んでくる。いったいどこから来たのかと驚くが、このような強烈な追い込み馬は、追い込んできた姿がずっと画面でとらえていないとそのすごさは本当にはわからないのだ。

テレビのレースの予想で過去の参考レースのビデオを流すが、追い込み馬の画像が流されるときに「まだ画像に入ってきていません」とアナウンスされることがある。アップし過ぎはわかりにくいという例である。





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