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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2017/12/21 19:00

有馬記念◆沢田準の競馬を楽しく

有馬記念である。テレビなどの予想番組では「今年も豪華なメンバーが集まった」と紹介するところだが、今年の場合少し違うのではないか。

だいぶ前から、今年の有馬記念は寂しくなるのではないかという評論家が実際にいたほどなのである。

出走馬は今年古馬G1を3勝のキタサンブラック、ジャパンCのシュヴァルグラン、そして未定だった宝塚記念のサトノクラウンも出走してきた。

これだけを見れば今年の活躍馬が揃って豪華メンバーのように見える。

しかしダービー馬レイデオロとオークス馬ソウルスターリングはジャパンカップを使って有馬記念は回避。菊花賞馬キセキは香港へ行ってしまった。

結局3歳馬はダービー2着でアルゼンチン共和国杯を勝ったスワーブリチャードが代表ということになってしまった。

4歳馬もサトノダイヤモンドは凱旋門賞で敗れ回避、マカヒキも天皇賞、ジャパンCを使って休養となった。

牝馬もエリザベス女王杯勝のモズカッチャンは出なかったが、宝塚記念とエリザベス女王杯で3着のミッキークイーンがいるのでまずまずともいえる。

しかし全体としてはファン投票で下位の馬が多いように、今年の有馬記念はいささかというよりかなり寂しいメンバーといえるのではないか。

有馬記念の1着賞金はジャパンCと同じく3億円で天皇賞の倍だ。賞金を考えれば天皇賞より有馬記念を選ぶように思われるが、賞金だけではないということである。

かつて(かなり以前のことだが)有馬記念は真の意味での年間の最高のレースだった。というのは有力馬が自然に有馬記念に集まってくるようなレース体系だったのである。

まず3歳馬(現表記)は天皇賞に出走できなかった。このため菊花賞後は3歳のトップクラスの馬が年内のG1級のレースを使うとなれば有馬記念しかなかった。

また天皇賞を一度勝った馬は再度天皇賞に出走することはできなかった。このため前年に天皇賞を勝った馬、春に天皇賞を勝った馬は平場のオープンなどを使いながら有馬記念を目指したのである。

平場のオープンは賞金別定で多くの賞金を稼いだトップクラスの馬は負担重量が重くなるのが普通だったが、有馬記念の前にはこのような馬でも重くならないような特別な別定のレースが組まれていたのである。

まだジャパンCはなく秋の天皇賞馬も次の目標は当然有馬記念となる。マイルのG1もなく距離適性がなくても有馬記念を使う馬もいた。

こうしてかつての有馬記念はトップクラスの馬が集中し、自然に名実ともに中央競馬で最高のレースとなったのである。

しかし現在ではレース体系は全く変わり、有馬記念に有力馬がすべて集まるということはなくなってしまった。

さらに凱旋門賞や香港国際レースに出走する馬もいる。また将来はブリーダーズCを目標にする馬が出る可能性もある。

有馬記念はいずれは普通のG1レースになってしまうのではないだろうか。





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