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沢田準【競馬を楽しく】
配信日:2017/12/28 10:30

マイケル・オーウェン◆沢田準の競馬を楽しく

競馬国際交流協会のホームページを覘いたら、サッカーの元イングランド代表のマイケル・オーウェンが競馬の騎手としてアスコットでレースに騎乗したというニュースを見つけた。

交流協会のHPはあまり見ることがないので、この記事に行き当たったのは幸運だったと思ったものである。

イングランドのサッカー選手で日本でよく知られているのはデヴィッド・ベッカムだけだろうが、マイケル・オーウェンはイギリスではベッカムに劣らないほどの人気のある選手だった。

そのオーウェンが競馬の騎手としてデビュー、それもアスコットというのだから驚きである。11月24日7ハロンのレースということで早速レーシングポストのホームページを開いてみた。

ところがその日のリザルトにそのようなレースはない。この時期のアスコットは障害レースの時期で、たしかにこの日に開催はあるのだが、平地の7ハロンというレースは記録されていないのである。

本当にそのようなレースが行われたのか不思議だったが、思わぬところからその謎が解けた。CSのJスポーツのサッカー番組である。なるほどマイケル・オーウェンとなればこれは競馬よりサッカーの話題というわけだ。

オーウェンは選手時代から競馬に興味を持っていたようでニューカッスルに所属していた時にマナーハウスステーブルを購入したそうだ。

現在はこのテーブルで競走馬を育成している。37歳のオーウェンが突然馬に乗りたいといった時には話を受けた調教師は、酔っぱらっていると思ったそうだが、オーウェンはレースに出たいと言ったことを公表し後に引けなくなったようだ。

全く馬に乗ったこともないオーウェンだがトレーニングを重ね、驚くことにギャロップをマスターしてしまったのである。もちろん落馬をしたこともある。

そして減量にも苦しんだが何とか12ストーンにまで体重を落としレースに出走することになったのだった。12ストーンは約76キロでこれを見ればオーウェンが出走したのはアマチュア騎手戦であることが分かる。

日本とは異なりイギリスではアマチュアの騎手が公式のレースに出走することが特別ではない。プロの騎手とは異なりアマチュア騎手は一般に体重が重い。

従ってアマチュア騎手戦は負担重量が重い。アマチュア騎手戦というと下級馬のレースのように思えるが必ずしもそうではなく、今年の香港ヴァーズに出走したアイルランドのマックスダイナマイトは2走前にアマチュア騎手戦に約73キロで出走している。

その後メルボルンCで3着のあと香港ヴァーズで6着だから立派なものである。

かつてジャパンCに出走した馬が数戦前(つまり柱にのっているレース)にやはり重いハンデで出走した馬がいた。このハンデは何かと思ったがアマチュア騎手戦だなということで納得したのである。

レースの画像も見ることができたが7ハロンという短距離であるにもかかわらずゲートからではなくなんとなくバラバラのスタートだった。

そしてレースはハードルトラックのハードルを外したトラックで行われた。いわばナショナルハントフラットレースの短距離版というわけである。

このレースは基金チャリティレースでありレースというよりもエキジビションというべきものである。

馬券はおそらく売っていなかったと思われ、そのためレーシングポストに結果が載っていなかったのだろう。もっともブックメーカーは何でも売るからその限りではないだろうが。

従ってマイケル・オーウェンの騎手デビューといっても競馬ファンが普通に考えるものとは違う。それでも画期的なことであるのは間違いないといっていいだろう。




◆沢田準【競馬を楽しく】
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