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小島友実【ターフ便り】
配信日:2016/09/27 17:39

「中山の芝は馬場状態もポイントです」◆小島友実◆【ターフ便り】第28回

 今週末はスプリンターズステークス。いよいよ下半期のG1レースが始まりますね。
その舞台となる中山競馬場の芝コースは、2014年の夏に馬場改造工事が行われ、排水性が格別に良くなりました。週の中間に200㍉以上の雨が降り、午後から雨が降った先週の土曜日でさえ、馬場状態は終日、稍重。いかに水ハケが良くなったかがわかりますよね。

 それと、当コラムでも何度も書いてきている‘馬場を軟らかくするための開幕前のエアレーション作業’。中山ではこれを2013年の秋開催前から取り入れており、今年の秋開催前もシャタリングマシンとバーチドレンによるエアレーション作業が行われました。この作業が行われると、‘開幕週は差しが決まり、開催後半になると、軟らかかった所が踏み固められていき先行馬が残りやすくなる’という傾向も、ファンの皆さんには浸透してきていると思います。

 この傾向は確かにあります。ただし中山に関しては、ある状況に気をつけてほしいと思いますね。それは、雨が降った時です。先週、中山の芝はCコース替わりでした。傷んだ内側がカバーされた開催3週目。そろそろ、先行ベースの馬場になってもいいはずと思った人もいたと思います。

 しかし、稍重だった先週土曜日は6つあった芝のレースのうち、先行馬は2勝、中団・後方からの差し馬が4勝。逃げ馬は2着に2頭残ったのみという結果。そして晴れ間が広がり、稍重から良に回復した日曜日は6つあった芝のうち、先行馬が5勝、逃げ馬が1勝。勝ち馬の4コーナーでの位置取りは全馬4番手以内という、先行馬ベースの馬場となっていました。今となっては、オールカマーで早めに動けるゴールドアクターが勝ち、稍重を得意としているマリアライトが伸びきれなかったのもなんとなく頷けます。

 実は元々、‘2014年に馬場改造工事をした中山の芝は馬場が渋ると差しが決まりやすくなる’という傾向があり、この秋の中山開催も以下のデータを見ても明らかな通り、その傾向があります。

☆2016年、第4回中山開催1~3週目・芝のレース良馬場時の脚質別成績(良馬場の芝のレースは24)
・逃げ 3-5-2-18/28(勝率10.7%)
・先行 13-11-9-52/85(勝率15.3%)
・中団 5-5-12-99/121(勝率4.1%)
・後方 1-1-1-103/106(勝率0.9%)
・マクリ2-2-0-1/5(勝率40%)

☆2016年、第4回中山開催1~3週目・芝レース稍重時の脚質別成績(稍重の芝のレースは11)
・逃げ 1-2-2-7/12(勝率8.3%)
・先行 5-4-5-30/44(勝率11.4%)
・中団 4-5-2-48/59(勝率6.8%)
・後方 1-0-2-41/44(勝率2.3%)
・マクリ0-0-0-0/0

勝利数だけで比較すると少しわかりにくいかもしれませんが、勝率を見ると、良馬場の時は先行馬の勝率が高く、差すにしてもせめて中団にいないと厳しい。そして稍重になると、中団からの差し馬の台頭が増えている事がわかります。そして、良馬場の時に後方から差し切ったり、まくって勝った馬がエアレーション作業を行ったばかりの開幕週に多くなっていました。

 これは今開催に限らず、最近の中山ではよく起こる傾向なので、今後も是非とも覚えておいて、馬券検討にお役立て頂きたいですね。

 ちなみに、今の阪神は中山とは違って、雨が降った場合、差しが決まりやすくなるという明らかな傾向はありません(むしろ、逃げ・先行が残りやすくなるくらいです)。阪神に関しての検証はまたいつか行いたいと思います。馬場は本当に難しいですね(苦笑)。

 という事で、今週末のスプリンターズステークスは馬場状態が一つ、ポイントになりそうです。この原稿を書いている段階で日曜日には雨は降らなさそうですが、どうなるでしょうね。あと、スプリンターズステークスは逃げ、先行馬が揃いましたから、馬場傾向を加味しながら、展開も考えないといけないでしょうしね。日曜日まで、大いに悩みたいと思います。


◆小島友実◆ 【ターフ便り】
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