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青木義明【競馬一直線】
配信日:2015/07/29 08:57

小生の配合馬、来年の新馬戦が楽しみな[ニシノナースコール×ディープインパクト]◆青木義明の競馬一直線



青木義明です。西山牧場さんへの配合アドバイス馬の現2歳は頭数が少なく、個人的には気の早い話ですが、気持ちは来年の2歳新馬戦に向かっています。そのうちの1頭の配合コンセプトをご紹介します。


☆小生の配合馬、来年の新馬戦が楽しみな[ニシノナースコール×ディープインパクト](牝1歳)



エンプレス杯1着、秋華賞5着など通算成績33戦7勝のニシノナースコールは父がブライアンズタイムで、母ノーブルドノールがノーザンテースト×ヴェイグリーノーブル Vaguely Noble ×サーアイヴァー Sir Ivor という血統構成である。5代までに見たとき自身に直接のクロスはないが、母の父ノーザンテーストのレディアンジェラ3×2(その父ハイべりオン)という強いクロスが目立っている。ややバランスを欠く配合様式のためか気性の難しいヤンチャ牝馬だった。好走時の強さは素晴らしく、人気で凡走することも多かった。

このニシノナースコールにディープインパクトを選択した意図は、精神的な集中力としなやかな馬体、そして芝向きの一流スピードを追求した点にある。

ディープインパクト産駒には芝向きの柔軟な馬体の持ち主が多いが、その主たる要因は母の父アルザオが内包するプリンスキロ Princequillo 3×4のクロスに求められる。プリンスキロは血統表の中に入って偉大な功績を残している名種牡馬で、例えばその娘サムシングロイヤル Somethingroyal は米三冠馬セクレタリアト Secretariat と名種牡馬サーゲイロード Sir Gaylord など18頭の産駒のうち11頭が勝ち上がった名繁殖牝馬であった。

そしてサムシングクロスのクロス馬も多く誕生し、世界的な代表例がその2×4のクロス馬ウイークエンドサプライズ Weekend Surprise を母とするエーピーインディ A.P.Indy であり、今ではその孫タピット Tapit が世界的な種牡馬として大活躍している。

ニシノナースコールにディープインパクトを配合するとサーゲイロードの代表産駒で英ダービー馬のサーアイヴァー5×5のクロスが生じる。サーアイヴァーは父から上述の名牝サムシングロイヤルを、母アティカ Attica は名牝アルシバイアデス Alcibiades の流れを汲む超良血だ。ところが、これまでのディープインパクト産駒にこのクロスはあまり見受けられず、特に5代以内では皆無かもしれない。その点でブライアンズタイム産駒らしい胴が詰まってパワー型のニシノナースコールには打って付けのクロス着目点と言える。

また、5代内にはサーアイヴァー5×5の他にヘイルトゥーリーズン4×4、ノーザンダンサー5×4のクロスも派生する。これを「5代多重型」の配合と小生は称しているが、その特徴は3種類の血脈のクロスが生み出す精神的活力、とりわけ優れたスピードである。かつてのマルゼンスキーはこの典型だった。

そして、単に「5代多重クロス」にしたのではなく、血脈的にノーザンダンサーとヘイルトゥーリーズンを併せ持つようにした点にも価値がある。

この組み合わせはサドラーズウェルズとカーリアンという2大種牡馬にもみられるものだが、1996年の日本ダービー馬フサイチコンコルドはノーザンダンサー3×3、ヘイルトゥリーズン4×5のクロス馬のさきがけ(魁)ということが出来る。

ノーザンダンサーは父二アークティックがハイべりオン×ネアルコの欧州列脈で、母ナタルマの父が米国血脈の塊のネイティヴダンサー、そして祖母がヘイローも孫に持つ名牝アルマームードという血統構成で、欧米血脈の混淆、底力とスピードの両面を備えて歴史的な大種牡馬となった。

一方、ヘイルトゥリーズンはその母系にブルーラークスパー Blue Larkspur やマンノウォー Man o'War のクロスなど、豊富で良質な米国血脈を蓄えた名種牡馬で、とりわけ頑健な肉体と弾力的な筋肉を提供する点に特質がある。

サラブレッドの配合には各種の「バランス」が欲しい。とりわけ欧米血脈の混淆、そしてスタミナ筋肉と弾力的なスピード筋肉の取り込みである。欧米血脈からなるノーザンダンサーのクロス馬が今日的な主流だが、その構成血脈のアルマームードやネイティヴダンサーを継続クロスすることでより高い能力を獲得できるし、さらにその周縁にプリンスキロ、リボー、トゥルビョンなどの欧州血脈、あるいはヘイルトゥリーズン、ミスタープロスペクター、バックパサーなど米国血脈をも取り込むことで、より本格的で高い能力のサラブレッドが期待できるのである。



◆青木義明の競馬一直線
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