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青木義明【競馬一直線】
配信日:2016/01/08 10:02

クロフネ牝馬の配合方針とは◆青木義明の競馬一直線


・生産地と競馬サークルを結ぶ情報紙「馬事通信」12月15日号掲載分を転載します

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[配合診断の実例=プリティカポレの場合]

●血統的特徴
プリティカポレイの血統構成は父クロフネ、母タイムフェアレディ、母の父メジロマックイーンというもので、5代血統表内にクロス馬を有しないアウトクロス馬だ。


父のクロフネはノーザンダンサー直仔のヴァイスリージェントVice Regentの父系ラインで、サドラーズウェルズやニジンスキー、リファールなどに対しては異系度の濃い血統構成だ。ただ、名牝ヴィクトリアナVictorianaなどノーザンテーストとの共通点も多く、この両者が結合すると配合的整合性は高まる。例えば、先日のジャパンカップを牝馬で快勝したショウナンパンドラの母キューティゴールドは「フレンチデピュティ×ディクタス×ノーザンテースト」の累代配合で極めて頑強な血統構成であり、やや繊細な父ディープインパクトの特質を見事に補完している。

フレンチデピュティ直仔のクロフネの配合的ポイントは4点ある。母系のアイスカベイドIcecapadeがニアークティックNearctic×ネイティヴダンサーで、つまりノーザンダンサーと4分の3が同じ血統構成であること。また、骨量豊富でタフなロベルトRobertoを内包してダート戦への適性を高めていること。そしてネヴァーベンドNever BendとアンビオリックスAmbiorixならびにトルナドtornadoを通じてトゥルビョンの複数クロスを持ち血統的多面性を獲得したこと。そして胴伸びを出すプレンスキロを内包することである。他方で名牝アルマームードを持たないのでヘイロー→サンデーサイレンス系種牡馬との配合的余地が幅広いことが挙げられる。


●配合の方向性

そんなクロフネ産駒のプリティカポレイは5代アウトクロス馬だ。また、母タイムフェアレディも、母の父メジロマックイーンも同様である。ただ、ジャパンカップを逃げ切ったカツラギエース産駒の祖母トキファイターにはナスルーラ5×5、その母で重賞勝ち馬のダンシングファイタには名種牡馬グレイソヴリンGrey Soverein3×4のクロスが潜んでいる。

クロスが薄目のそんなプリティカポレイだが、9代クロス分析を施すとかなりの活力を獲得している。特にトゥルビョン7本継続クロスは父クロフネの特質の一点を強調していて好感が持てる。この部分を意識した配合は欠かせない。また3代母のグレイソヴリン3×4の継続クロスを引き出し、精神的スピリットを呼び起こすこともこの母の特質を生かすには有意義だろう。むろんサンデーサイレンス系種牡馬全般への包容力も高い。

候補として取り上げたのは以下の3頭。順序に大きな意味はないことを付記させていただく。


●具体的な相手

〇キャプテントゥーレ
キャプテントゥーレを相手にすると「ロイヤルスキー3×4」のクロスが取り込まれるが、その構成血脈であるマイバブーMy Babu3本→ジェベルDjebel5本、その父トゥルビョンが計10本継続されてクロフネの屋台骨の一角を活用できる。また、キャプテントゥーレの母の父トニービンを通じて、3代母の持つグレイソヴリンの継続クロスが具現化し、さらにはフェアトライアルやプリンスビオも引き出されるし、この母に希薄なハイぺりオンが9本も注入されるので、リマンド5×5のクロスの派生とあわせて成長力を補強できる。またサンデーサイレンス系なので名牝アルマームードのクロスを獲得し、芝向きの軽快さと決め手を持ち味とする好マイラーを期待する。


〇トランセンド
トランセンドはその父ワイルドラッシュの底力を得たパワフルな血統構成で、クロフネの祖母の父アイスカベイドIcecapade4×5のクロスが派生して頑健さが保たれる。さらにトニービンがトランセンドの母の父なのでキャプテントゥーレ同様に3代母の持つグレイソヴリンの継続クロスが具現化し、さらにはフェアトライアルやプリンスビオも引き出されることとなる。またトランセンドにもハイぺりオンが濃密にクロスされており、加えて米国血脈トムフールTom Foolのクロスも注入されるので総じてダート向きの中距離タイプとして期待できる。


〇ロジユニヴァース
ロジユニヴァースはサンデーサイレンス系の中でも一歩先んじてヘイローHaloのクロス(3×5)を獲得し、その母系にはダンジグとヌレイエフを通じてノーザンダンサー4×4のクロスがある。かなり血統進行度の早い配合馬なので、少し地味な印象のプリティカポレには効果的だ。その産駒は5代アウトクロスではあるが、9代クロスの出現パターンは良好だし、クロス血脈もネヴァーベンドNever Bend→ジェベル→トゥルビョンと母の父クロフネの屋台骨を踏襲し、プリンスキロやウォーアドミラルのクロスも得て欧米血脈のバランスも取れている。総じて勝負根性に優れた芝向きの中距離タイプとして期待できる。


◆青木義明の競馬一直線
http://bit.ly/1F3tlL6

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